増税と選挙
増税をする前に税金の巨額な無駄遣いを一掃すべきだというのは、国民共通の願いです。また、国会議員の大幅な定数削減もそうです。しかし、税金の巨額な無駄遣いの一掃も、国会議員の大幅な定数削減も、これまでのところかけ声だけで実現の道筋は一向に見えていません。
自民党の中に「上げ潮派」というグループがあります。先ずは霞ヶ関による税金の巨額な無駄遣いの一掃を最優先させ、それに国有財産の売却と経済成長政策を加味して借金だらけの財政を再建させようという主張です。それでもダメなら、最後の手段として増税に踏み切るという考えです。
自民党の中には、上げ潮派の考え厳しく批判するグループがあります。このグループは「増税抜きでの財政再建は幻想に過ぎない」と主張しています。これに対して、「上げ潮派」は、「増税をすれば霞ヶ関による無駄遣い一掃の手綱は、どうしても緩んでしまう」と反論しています。
しかし、公務員制度の改革を含む霞ヶ関による無駄遣いの一掃、国有財産の売却、経済成長政策の推進、それに増税の4頭立ての馬車を走らせませんと、財政再建の道筋は見えてきません。自民党は選挙を控え増税を公約して敗北した経験を3回味わっています。一度目は大平正芳総裁のとき、二度目は竹下登総裁のとき、三度目は橋本龍太郎総裁のときです。それだけに、衆院選挙が取り沙汰されされている中で、財政改革派も消費税の増税を公約することに消極的になり始めています。
一方、民主党も今のところ、消費税の増税論議には封印をしたまま衆院選挙に臨もうとしています。朝日新聞は24日の社説で、来年度予算の概算要求時期を迎え、福田首相は大幅な歳出カットか増税かについて腹をくくるべきだと論じています。増税は必要だけれども、選挙に負けるのが怖くて公約はできないというのが、日本の政治の偽らざる姿です。しかし、こうした状態を放置すれば日本の借金は益々膨らみ、1000兆円を遥かに超えてしまいます。そうなりますと、子供や孫は私たち以上に借金地獄にもがき苦しむだけでなく、日本発の金融危機も招きかねません。###
