トップページ | 2008年8月 »

2008年7月

2008年7月30日 (水)

観光庁の設置

 7月30日の日経新聞朝刊が「北大観光学高等研究センター」の話として、各国の観光行政機関の実情を紹介しています。そして、一覧表にしてタイ、オーストリア、イギリス、香港、韓国、日本の観光行政機関の要員、海外事務所、国からの交付金の比較を行っています。日本の観光行政機関は、現在、独立行政法人の「国際観光振興機構」です。国際観光振興機構」は上記の4か国と香港に比べて、要員も、海外事務所も、国からの交付金も最低です。例えばイギリスとの比較では、要員は日本が137人であるのに対し、イギリスは476人です。海外事務所も日本が13に過ぎないのに対し、イギリスは35です。さらに、国からの交付金も日本が21億円にとどまっているのに対し、イギリスは155億円です。

 北大観光学高等研究センターによりますと、イギリスでは1997年に誕生した労働党のブレア政権が、「クール・ブリタニア(格好いい英国)」政策を積極的に推し進めました。その結果、美術、デザイン、音楽、映画、建築、ゲーム開発などの産業が発展しました。そして、外人観光客の増加をもたらしました。イギリス政府観光局が、潤沢な資金と豊富な人材を活用して、観光客の増加につながる産業やイベントの育成に力を注いだからと、北大観光学高等研究センターでは分析しています。

 日本の場合、2008年10月に国土交通省の外局として「観光庁」が設置される予定です。そして、2020年には外国からの観光客を、今の700万人台から2000万人に増やしたいとしています。観光庁の組織の規模や予算については、まだ大枠すらは決まっていませんが、幅広い分野から豊かな才能を有する人材を揃える必要があります。そして、全国各地に、外国人が訪れたいと思うような文化を育まねばなりません。それには、生田正治氏のご指摘のように美しい景観をつくることに加えて、優しい心を培うことがどうしても欠かせません。優しい心は21世紀になっても、人々の間から失われ続けています。それだけに、日本の観光文化の基本に、「心の優しさ」を据えたいものです。###

2008年7月29日 (火)

日本の立脚点

 7月28日の日経新聞に、商船三井の相談役で郵政公社の総裁を務められた生田正治氏が、インタビューに応じて示唆に富んだ提言をされています。暫くの間、生田氏の話をご紹介します。

 日本を「観光立国」するための国民運動を、1日も早く展開すべきです。モノづくりは現在でも日本経済の基盤ではありますが、「工業立国」、「貿易立国」だけでは限界があります。2006年時点で日本への外国人旅行客は733万人で世界30位です。フランスの十分の一以下、香港の半分にも満たない水準です。もう一度開国するという意気込みでやれば、フランスの半分くらいには伸ばせると思います。

 日本の取り組みが遅れたのは、縦割り行政の弊害が大きいと思います。私が海運業で直面した港湾行政と同じで、観光についても国土交通省や外務省、経済産業省、文部科学省、警察などが縄張り意識を持ち、さらに中央と地方の2重行政になっています。このためバラバラに「点」の動きはあっても、連携した「面」の発想がないから総合力が発揮できないのです。このままでは日本の港湾がアジアの拠点機能を失ったのと同じ道を歩みかねません。

 さらに、生田氏は観光立国をめざす国レベルの具体策として、羽田空港の国際航空化を挙げています。そして、そのためには羽田空港の大規模な拡張が不可欠だとしています。ただ、羽田空港を大規模に拡張するには、横浜港を東京湾の中枢港として大型・中型船を収容する必要があると指摘しています。また、成田空港については、航空貨物の拠点とする一方、電子やバイオなど高度技術産業を周辺に誘致することを提言しています。一方、地方レベルの具体策としては、美しい景観づくりが大切だと強調しています。そして、旅館や温泉といった発想ではなくて、訪れる旅行者との間で文化の交流を深めるという思想が大切だと述べています。

 生田氏が指摘されている総合力の欠如は各省庁にも問題がありますが、政治にはもっともっと問題があります。政治が各省庁に依存していて、総合力を発揮させるようなリーダーシップをとれないでいるのです。現在、厚生労働省中心に行政の劣化が問題視されていますが、政治家は閣僚を含め、何故か自分たちには責任がないようなポーズをとり続けています。とんでもない話です。日本が劣化してきている大半の責任は、大きな権限を有する政治家にあります。政治家に責任があるということは、国民にも責任があるということです。主権者である国民には、無責任で能力のない政治家を淘汰する義務と責任があります。

さらに、観光というと温泉や旅館といった発想でなく、旅行者との間で文化交流をするという指摘も重要です。日本の場合、地方都市にしろ、農漁村にしろ、画一的になったとはいうものの、まだまだ個性豊かな文化が存在しています。しかし、それらの個性豊かな文化を外国人にも体験してもらう用意は、全体的に整っていません。また、欧米に地方都市や田舎町に比べて景観が美しくありません。景観には全く無頓着で、屋根の色も、家の向きもバラバラです。さらに農漁村では、作業区域と居住区域が画然としておらず、ゴチャゴチャしています。とても外国人観光客を迎え入れる環境にはありません。こうした問題を地域全体で一つ一つ改善していけば、温泉地でなくても外国人はやってきます。また、国内の観光客もやってくるはずです。### 

2008年7月27日 (日)

4頭立ての馬車が必要

 日本の江戸時代を概観しますと、緊縮財政を実施した時代は、世の中全体が沈みがちでした。そして、庶民は毎日の生活のやり繰りに苦労し続けました。一方、放漫財政を実施した時代は、世の中全体に活気が出てきました。そして、庶民の暮らしも比較的楽になり、芝居見物や旅行が盛んになりました。だからといって、現在、いわゆるバラマキ政策を実施したのでは、政府の借金はたちまちのうちに1000兆円を超えてしまいます。1000兆円という借金は、年間の税収の20倍以上です。

 経済がグローバル化して、人、モノ、カネ、情報が自由に世界中を行き交うようになっているだけに、日本がバラマキ政策によって借金をさらに増やすとあっては、世界中から信用されなくなってしまいます。それだけに、これ以上借金を増やす政策を極力抑えて、借金まみれの財政を建て直す道筋をつけねばなりません。それには、①公務員制度の改革を含む霞ヶ関による無駄遣いの一掃、②国有財産の売却、③経済成長政策の推進、④それに増税の4頭立ての馬車を走らせなければなりません。

 しかし、日経新聞の朝刊が27日に伝えるところでは、自民党の税制調査会は早くも消費税の増税を打ち出すのを諦めました。また、所得税の累進税率の引き上げも見送る意向のようです。衆議院選挙が取り沙汰されているだけに、増税を打ち出すと有権者の支持を得にくいという議員心理によるものです。

 国や自治体の財政が破綻状態にあることについて、国会議員も経済界も霞ヶ関も国民も危機意識が足りません。とにかく、財政を健全化させる方向にもっていきませんと、年金改革、医療保険改革、介護保険改革も不可能です。また、格差是正対策も推進できません。それだけに歯を食いしばって、いわゆる4頭立ての馬車を同時並行的に走らせなければなりません。日本人はもっともっと忍耐強くなる必要があります。そして、新しい国造りの展望を開かねばなりません。###

2008年7月26日 (土)

サブプライムローンと不正取引

 アメリカのサブプライムローンを含んだ金融商品の暴落による金融市場の混乱は、1年経って益々深刻化の様相を呈しています。サブプライムローンというのは、信用力の低い個人向け住宅融資のことです。アメリカの金融機関は信用力の低い個人向け住宅融資についても、住宅を担保に次々と証券化しました。そして、証券化したそれらの金融商品をさらに細かく分割したうえ、他の金融商品に混ぜ合わせて投資家や銀行との間で売買を繰り返しました。

 アメリカの住宅バブルの崩壊でサブプライムローンの返済率が悪化しますと、サブプライムローンの混じった金融商品は暴落を始めました。そして、世界的な株安をもたらしました。その結果、株式市場から離れた資金は次々と商品市場に流れ込みました。そして、原油・穀物・鉱物資源の高騰を招くなど、実体経済にも多大な悪影響を及ぼしています。不況下の物価高がそうです。

 昨年の7月以降、多くの住宅金融機関は信用力の低い個人とローン契約を結ぶ際、数年後に利息が大幅に跳ね上がるのを隠したり、契約さえ結べば支払いのほうは何とかなるなどと、詐欺まがいの勧誘をしていたことが次々と明らかになりました。住宅価格が年々値上がりしていた時代は、こうした詐欺まがいの勧誘は表面化しませんでした。しかし、バブルがはじけて住宅価格が暴落してきますと、信用力の低い個人はローンを払えなくなりました。そして、ローンで購入した住宅を差し押さえられました。その結果、詐欺まがいの勧誘がどっと表面化しました。

 そうした中で、7月26日の日経新聞朝刊は、アメリカの金融当局が市場の規制強化に乗り出したことを伝えています。また、司法当局による金融機関の不正摘発も相次いでいると報道しています。このうち市場の規制強化で最も大きなものは、株の空売りの規制拡大です。アメリカの金融当局が考えている株の空売り規制は、現物株の手当てを全くせずに空売りをする取り引きです。株価の値下がりを防ぐのが狙いです。

 また不正摘発は、住宅ローン詐欺で144件を立件し、関係者406人を訴追しました。また、スイスの金融最大手のUBSを金融商品の虚偽説容疑で、証券詐欺で大手証券会社・ベアー・スターンズの元幹部2人をそれぞれ訴追しています。さらに、原油先物市場の相場操縦の疑いで、オランダの投資ファンドを起訴したほか、金融商品をめぐる虚偽説明の疑いでアメリカ大手銀行の「ワコビア」を捜査している模様です。

 サブプライムローンをめぐる不正の摘発については、7月から本格化しています。内偵捜査に、ほぼ1年を費やしたことになります。市場は自由度が高いほうが、使い勝手がよいに決まっています。しかし、法律に触れる不正な取り引きについては、断固として取り締まりませんと、市場の信頼性が損なわれてしまいます。日本の市場も例外ではありません。

 

地方分権化

 国の出先機関を廃止して、職員や予算を都道府県などに移譲することが、日本にとって重要な課題の一つになっています。行政の2重・3重構造を改め、税金の無駄遣いを無くすことにつながるからです。また霞ヶ関の権限が縮小するため、行政運営の効率化も期待できるからです。知事などの自治体の首長が、いちいち霞ヶ関に出向かなくても済むようになります。

 しかし、霞ヶ関の権限を縮小して地方自治体の権限を拡大することについては、危ぶむ向きが少なくありません。これまで霞ヶ関に依存して行政をすすめてきただけに、拡大した権限を正しく行使できる人材が揃っているだろうか、汚職は増えないだろうかなどの懸念です。国の出先機関の職員が都道府県に移ってきても、そうした懸念は解消されません。 

 ですから、地方分権の拡大に備えて、地方自治体は職員の能力をアップさせる研修制度の充実にもっともっと努めねばなりません。また、議会が行政のチェック機能を果たすよう、住民も議会・議員の監視を強めねばなりません。

 権限が拡大するということは、それだけ利権が増えるということです。それだけに、汚職防止の対策も、思い切って強化しなければなりません。汚職の被害者は大部分が納税者です。汚職によって税金が無駄に使われるからです。公務員にとって最も大事なことは、公正な行政運営をするということです。議員が我田引水的な要求をしてきても、公正な行政運営に励む信念にいささかの揺るぎもなければ、議員の不当な要求に屈するはずがありません。また、行政の各部門にしても議会にしても、会計のチェック機能も強化しなければなりません。

 大分県教育委員会の教員採用試験や校長・教頭の昇進をめぐる汚職事件は、国民にとって大きな衝撃でした。正しいことを教えなければならない教育の中枢が、極めて長い年月にわたり不正で汚れに汚れ切っていたからです。教員採用試験の成績を改ざんして、合格者を不合格者に、不合格者を合格者にしていたというのですから、とにかくやりきれません。教員採用試験の合否や校長・教頭の昇進を決める要職が、公正さとは無縁の人物よって占められ受け継がれてきたからでした。

 かって新潟県の西山町では、町長が何年も地方競馬に多額の公金をつぎ込んでいたという不祥事が摘発されたことがありました。内部監査、議会、収入役などのチェック機関が全く機能していなかったからでした。大分の事件も、新潟の事件も、地方ではとんでもない不祥事が起り得ることを示しています。かといって、地方分権化を滞らせたのでは日本の明日はありません。###

2008年7月24日 (木)

増税と選挙

 増税をする前に税金の巨額な無駄遣いを一掃すべきだというのは、国民共通の願いです。また、国会議員の大幅な定数削減もそうです。しかし、税金の巨額な無駄遣いの一掃も、国会議員の大幅な定数削減も、これまでのところかけ声だけで実現の道筋は一向に見えていません。 

 自民党の中に「上げ潮派」というグループがあります。先ずは霞ヶ関による税金の巨額な無駄遣いの一掃を最優先させ、それに国有財産の売却と経済成長政策を加味して借金だらけの財政を再建させようという主張です。それでもダメなら、最後の手段として増税に踏み切るという考えです。

 自民党の中には、上げ潮派の考え厳しく批判するグループがあります。このグループは「増税抜きでの財政再建は幻想に過ぎない」と主張しています。これに対して、「上げ潮派」は、「増税をすれば霞ヶ関による無駄遣い一掃の手綱は、どうしても緩んでしまう」と反論しています。

 しかし、公務員制度の改革を含む霞ヶ関による無駄遣いの一掃、国有財産の売却、経済成長政策の推進、それに増税の4頭立ての馬車を走らせませんと、財政再建の道筋は見えてきません。自民党は選挙を控え増税を公約して敗北した経験を3回味わっています。一度目は大平正芳総裁のとき、二度目は竹下登総裁のとき、三度目は橋本龍太郎総裁のときです。それだけに、衆院選挙が取り沙汰されされている中で、財政改革派も消費税の増税を公約することに消極的になり始めています。

 一方、民主党も今のところ、消費税の増税論議には封印をしたまま衆院選挙に臨もうとしています。朝日新聞は24日の社説で、来年度予算の概算要求時期を迎え、福田首相は大幅な歳出カットか増税かについて腹をくくるべきだと論じています。増税は必要だけれども、選挙に負けるのが怖くて公約はできないというのが、日本の政治の偽らざる姿です。しかし、こうした状態を放置すれば日本の借金は益々膨らみ、1000兆円を遥かに超えてしまいます。そうなりますと、子供や孫は私たち以上に借金地獄にもがき苦しむだけでなく、日本発の金融危機も招きかねません。###

2008年7月23日 (水)

年金浪費の源流

 埼玉県の上田清司知事が民主党の代議士だった当時、衆院予算委員会で旧厚生省の部内資料を読み上げました。余りにも驚くべき内容でしたので、後日、上田代議士に対し、「自ら読み上げるよりも、厚生労働大臣か担当局長に読ませるべきであった」という葉書を出しました。上田代議士からはすぐに、「ご指摘の通りでした」という葉書が郵送されてきました。

 当時の上田代議士が衆院予算委員会で読み上げたという資料が、23日の日経新聞朝刊1面の「ザ厚労省」という企画記事の冒頭に紹介されています。その資料というのは1988年に発刊された「厚生年金保険制度回顧録」です。上田代議士はその回顧録に記されていた花沢武夫・元年金課長の言葉を読み上げたのです。

「すぐに考えたのは膨大な資金の運用ですね。何十兆円もあるから一流の銀行だってかなわない。厚生省の連中がOBになったときの勤め口に困らない。年金を払うのは先のことだから、今のうちどんどん使ってしまって構わない。先行き困るのではないかという声もあったけれども、そんなことは問題でない」

 また日経新聞は「厚生年金保険制度回顧録」の発刊とほぼ同じころ、「年金の船」という構想も浮上したと伝えています。集めた年金で豪華客船をつくり、高齢者を格安で世界クルーズに連れていくというものでした。当時の民社党などが提案し、まじめに議論されたとのことです。

 誠に無責任な年金浪費のDNAは、こうして埋め込まれました。花沢発言には年金加入者のことは全く念頭になく、自分たち役人のことしか考えていません。とにかく、とんでもない人物が年金課長だったわけで、呆れ果ててしまいます。ちなみに、花沢氏は故人です。###

2008年7月22日 (火)

民主党へ

 民主党は先の通常国会で、税金などの公費の巨額な無駄遣いを次々と追及し、国民の拍手を浴びました。その一つが道路特別会計の無駄遣いです。借金まみれの財政の下、道路特別会計の一般財源化が大きな課題となっていました。ところが、あっという間に一般財源化が実現してしまいました。民主党の無駄遣いをめぐる厳しい追及に対し、自民党の道路族も、一般財源化に反対する論拠を失ってしまったからです。一般財源化は表向き福田首相の決断でしたが、決断を促す環境づくりをしたのは紛れもなく民主党でした。

 民主党が中心になって一時的に実現したガソリン税などの暫定税率の撤廃も、国民が拍手喝采しました。しかし、与党は衆院の再議決によって、約1か月後に暫定税率の撤廃を反故にしました。自治体を含め予算に穴があくからでした。暫定税率の撤廃は国民の歓心をかうための下心が露骨すぎました。卑しささえ感じさせました。また、財政に対して無責任だけに、政権担当能力を疑わせました。

 民主党がこれまでに公表した諸々の政策について、財源をどうやって確保するかが正確に示されていないという批判があちこちから寄せられています。そうした中で最近、高名な政治学が、「野党なのだから、予算のことは論じなくてもよい」と言って世間を驚かせました。民主党は次の衆院選で勝利し、政権を奪取すると力説しています。そうだとしたら、諸々の政策を実行するのに必要な財源をどうやって確保するかについては、丁寧に明示しなければなりません。そうしませんと、折角の政策が空証文と受取られてしまいます。それだけに、9月に行われる代表選挙が無投票になろうとなるまいと、財源を含め政策にもっともっと磨きをかけねばなりません。###

2008年7月21日 (月)

霞ヶ関の大改革

 霞ヶ関による税金の巨額な無駄遣いについては、国民の誰もが怒りを抑え切れないでいます。税金の巨額な無駄遣いの温床の一つは、各省庁ごとにある出先機関です。これらの出先機関には、自衛隊員を除く32万8000人の国家公務員のうち、21万2000人がいます。そして、仕事の内容のほとんどは、霞ヶ関と重複したり、地方自治体と重複したりしています。行政の2重3重構造の源といわれる所以です。

 これら出先機関について、伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏が会長を務める政府の地方分権改革推進委員会が、大幅に削減する野心的な勧告案をまとめる方向で作業を進めています。讀賣新聞によりますと、地方分権改革推進委員会の構想では7万4289人の職員と11兆0599億円の予算を都道府県などに移譲したいとのことです。しかし、この構想に対しては、関係の府省庁やそれらの府省庁に寄生しているいわゆる族議員が、激しく抵抗することが必至です。

 一方、民主党も国の出先機関の大幅な削減には、極めて意欲的です。。そして、①国の出先機関を原則全廃すること、②国庫補助金を基本的に全廃し、地方自治体が自由に使えるように一括交付金化すること、③国から都道府県、都道府県から市町村に大幅な権限移譲をすることを柱に、8月中にたたき台を作成する意向です。民主党としては、政府の地方分権改革推進委員会の勧告を上回る大胆な内容の計画をまとめ、次期衆院選のマニフェストに載せる方針です。

 そうなりますと、地方分権改革推進委員会の構想に対し、関係の府省庁も族議員もなりふり構わない抵抗はしにくくなります。民主党がどのような内容の計画をまとめるかにもよりますが、霞ヶ関の大改革が、衆院選で初めてまともな争点として浮上しそうです。###

2008年7月20日 (日)

税制の抜本改革

 税制の抜本改革は、①借金まみれの財政を再建軌道に乗せることと、②所得の再配分によって格差是正に寄与することが、2大眼目でなければなりません。

 借金まみれの財政を再建軌道に乗せるには、消費税の大幅増税が絶対不可欠です。イギリスでは消費税に相当する付加価値税の税率は17.5%です。その代わり、食料品・自家用住宅・家庭用上下水道・書籍・新聞・医療・教育など生活必需品関係は無税です。新聞報道によりますと、消費税の引き上げについて国民の44%がやむを得ないとしています。生活必需品関係を無税にすれば、国民の多くは消費税の大幅増税は致し方ないと思うに違いありません。

 所得税の税率については、米国のレーガン政権が富裕層の税率を大幅に引き下げて以来、世界的に最高税率が引き下げられています。日本もかって75%だった最高税率が、今では40%になっています。多くの経済学者・企業経営者・政治家などが、もっともらしく、「富裕層に重税を課すと、社会の活力が失われる」という主張を展開しています。中には、「富裕層に重税を課すと、彼らは海外に脱出してしまう」と申す有識者もいます。そんな主張は、机上の空論に過ぎません。経済学的にも社会学的にも、立証されていないからです。年収200万円以下の貧困層が1300万人もいるだけに、所得税の最高税率の引き上げは、どうしても必要です。そして、所得を再分配して貧困層の解消に努めなければなりません。相続税も同じように、税率を引き上げるべきです。貧富の差が大きい国は、ろくな国家ではありません。

 

2008年7月19日 (土)

竹島問題

「竹島は日本の領土だ」と中学校の教科書で教えるとしたことに対し、韓国の反日感情が沸騰しています。司馬遼太郎氏によりますと、14世紀初めに朝鮮半島を統一した「李王朝」は、何から何まで儒教で染め上げました。儒教の本家である中国以上に、儒教国家となりました。儒教の特徴は礼節を重んじることです。親・兄弟・親戚を大事にして団結する一方、他の氏族との違いをことさら強調します。時には激しい言葉を使って咆哮します。

 ですから、韓国が竹島問題で日本をののしるのは、ごく当たり前のことです。長い間にわたって民族の心に染みついた儒教文化によるものです。日本も儒教を導入しました。しかし、李王朝時代の朝鮮に比べれば、つまみ食いした程度に過ぎません。それだけに、 李王朝時代の政府関係者は、日本を文化的に劣っている国として厳しく見下しました。そのうえ、日本人の大半は元々、朝鮮半島からの難民です。

 そうした中で、日本は李王朝より一足早く開国して、富国強兵を目指しました。そして、戦前・戦後を通じて世界の主要国の仲間入りを果たしました。それだけに、韓国や北朝鮮が日本を見る目には、優越感と劣等感が入り混じっていて複雑です。そのことを理解しませんと、日本は対応を誤ってしまいます。

竹島問題については、ご存じのように、日本政府は国際司法裁判所に提訴して決着をつけたいとしてます。しかし、韓国政府は国際司法裁判所へ持ち出すことに強く反対しています。といいますのは、竹島は明らかに韓国の領土であって、法的に争う余地は全くないとしているからです。###

2008年7月18日 (金)

自民党へ

 国民のみんなが知っていることですが、借金まみれの財政を建て直す道筋をつけませんと、日本はにっちもさっちも行きません。ガソリン・重油の暴騰に対しても、思い切った手を打てません。年金・医療・介護の改革・改善、1300万人といわれる年収200万円以下の貧困層の救済策もそうです。それには、消費税の増税を中心とした税制の抜本改革がどうしても必要です。

 また、霞ヶ関の大改革にも道筋をつけなければなりません。税金の無駄遣いが余りにも巨額であるうえ、各省庁の行政上の権限が強大過ぎるからです。

 しかし、財政再建のすすめ方について、自民党内では税制の抜本改革に比重を置くべきだとするグループと、それよりも霞ヶ関による税金の無駄遣いの一掃や国有資産の売却に全力を挙げるべきだとするグループとが対立しています。税制の抜本改革も霞ヶ関の大改革も、今の日本にとってはどちらも絶対必要です。それだけに、両グループとも言い争いをしてる場合でないことを自覚すべきです。###

トップページ | 2008年8月 »